つれづれ

豊かさって?いろんなものを自分で作って使う、食べる幸せ♪

なす の栽培ポイント

■基本データ

原産:インド

ビルマを経由して中国に渡ったらしい。日本では平城京で出土した木簡に奈須比の記述があり、粕漬が食されていた記録がある。江戸時代以降広く栽培され庶民的な野菜となった。

栄養:特になし

栄養ないのによく食べられるって、どんだけ愛されてんの!ただ、植物繊維は豊富で、東洋医学では体温を下げる効果ありといわれる。皮の紫色はナスニンというポリフェノールで抗酸化作用あり。アルカロイド(灰汁)を多く含むため一部の品種を除き生食されない。アルカロイドとは「アルカリもどき」っていう意味で、強い毒性や幻覚症状を持つものが多い。コカイン、モルヒネとか。だから生で食べない。

雑学:一富士二鷹三なすび、千両なす の由来

なすはビニールハウスで促成栽培もされる。秋から翌初夏まで収穫するが、江戸時代にも油紙でハウスもどきを作り、発酵馬糞などで温度を上げて行われていた。「一富士二鷹三なすび」は正月なすが高価だったことから、また初物のなすは1個1両の値がついたため、「千両なす」と言われる。

  

■栽培方法

ポイント① お日様と水が大好き

原産地を知れば、栽培方法がわかるってね! 原産はインドってことで高温多湿を好み、暑さに強く、日当たりを好み、日射量が多いほど収量よし。水が不足すると生育が悪い。「ナスは水で育つ」と言われる。梅雨開け以降は水をやるほど良い実がたくさん成る。あと風通しも好む。

ポイント② 肥料大好き

ナス科の野菜はあまり肥料を要しないが、なすだけは別。肥料を切らさないようにする。そうすれば長期多量に収穫可能。うまくいくと1株から100本以上収穫できるって。元肥と追肥が欠かせない。追肥は緩効性より化学肥料がいい。我が家のプランタには、2週間おきにハイポネックスを希釈して50cc/株与える。肥料は根の先端部分に入るような場所に与える。なすは、根の広がりと葉の広がりがだいたい同じ位なので、株の葉の先端の真下あたりがよい。

肥料不足を見分けるポイント

栄養不足=肥料不足、とは限らない。根が栄養を吸収できていない可能性もある。①根が腐ってる、②土の水分多すぎ(呼吸できないので箸で穴をあける)or 水が少ない、③光が多い/不足、④温度が15℃以下か30℃以上 そんな原因も考えられるので観察する。

めしべがおしべより短い 黄色く並んだおしべの中央に、黄緑~白っぽいめしべがある。めしべがおしべより長く花色が濃いなら栄養が足りてる。

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逆に、めしべが短く花色が薄いなら栄養不足。

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なすの花は下を向いてて、健康な花はおしべの先端から花粉が出て、下のめしべに付いて受粉できる。それなのに、めしべが短いと花粉が届かず受粉できない。するとその花は落ちる。

■2020/6/11追記 めしべが引っ込んでたので液肥をやったら、数日後に咲いた花はめしべがしっかり出て効果早っ。ところがその数日後に咲いた花はまためしべが引っ込んでた。液肥は即効性あるけど持続性なし。

花びらの色が薄い 写真(上)のように色が薄い。肥料不足なら即効性ある液肥で様子をみる。

花が小さい 通常なら大体同じ大きさ。極端に小さいのがあれば栄養不足。肥料なら液肥で様子み。

次の花に蕾がない 植え付け後や時期終わりなら生長スピードが遅いので心配ないが、最盛期なら生育不良の可能性あり。他のチェック項目を総合して判断する。

葉色がだんだん薄くなってる 下からだんだん薄くなるのは、窒素不足。さらに生長も悪くなるのはリン酸不足。葉脈だけが緑色で他が黄色く変色するのはマグネシウム不足。新芽部分が葉脈もすべて黄色くなるのは鉄不足。それぞれに合った養液を与える。通常こうした微量成分が不足する症状はまず見られない。

葉が小さくなる 同じ株で他のより小さくなったとき。

開花中の花から次の生長点までの枝の長さが短い 品種によって違うため、自分の株の調子が良い時の長さを予め測っておくとよい。

目安:中長ナスや水ナスなどは20cm~25cm、樹勢が強めの緑色をしたナスなどは25cm~30cm

目安より短いなら栄養不足。なすは枝を伸ばしながら新しい花芽をつける。枝を伸ばす力(枝力)と実をつける力(実力)のバランスが大事。枝力が強くなると花付きが悪くなり、実力が強くなると枝が伸びず次の花芽がつきにくくなる。目安よりも短い=枝力が弱い=実力が強いので、追肥+摘果すると効果的。

 ポイント③ 支柱を立てる

思い実をいくつもつけるので、茎が折れないように支柱立てて誘引する。

ポイント④ 整枝して、長く沢山収穫する

■一番はじめの分枝より下の葉は、全て取り除く。放っておくとまた出てくるからこまめに取る。

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■一枝に2果までとして剪定

 なすにこんな規則性があったなんておどろきました、おもしろいー!

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ポイント⑤ 冬越しさせよう

種蒔くか苗買って育てるんだけど、種からだと苗まで3か月近くかかって大変。苗から育てると、毎年苗を買わなくちゃいけないからコスパ悪し。なすは多年草なので冬越しに挑戦する。

なすは15℃以上で受精する(実がなる)。10℃以下の日が多くなる11月に冬越し準備を行う。

冬越し作業

① プランターに割りばしをブスブスさして土をほぐす

②プランターから株を抜いて、さらに根をブスブスさしてほぐしながら土を除く。

 根が白いことを確認。根が黒ずんでいたり腐乱臭がしたら越冬をあきらめる。

③先端の根を切り取り、ひとまわり小さくしてやる

④ひとまわり小さなプランターに株を入れ、新しい野菜用培養土を入れる

⑤割りばしでブスブスして、根の間に土をしっかり入れていく

⑥プランタの底から水が出てくるまでたっぷりと水を与える

⑦枝を剪定する。一枝につき芽を二つまで残してその上をカットする。葉は全部カット。

⑧室内のできるだけ明るく暖かい場所に置く。水を与えない。

※水を必要とするのは葉。葉は光合成して成長するために水を吸う。でも芽以外に葉がないので光合成しない。だから水をごく少量しか吸わない。だから土中の水は保たれたままとなる。プランタが軽くなったら、または春に向けて新芽が増えてきたら、水を与えるサイン。