春になるとホームセンターや園芸ショップに、ミニトマトの苗が並びます。
最近は種類も豊富で、糖度が高い、皮がやわらかい、リコピンが豊富、などの旗をかかげたツワモノの苗が、しのぎを削っています。
ですが私、毎年苗を買っては、あまり収穫もなく枯らしていました。
梅雨が明ける頃までは順調なんです。それこそ、こんなによく育つなぁと思うくらい、よく伸び、よく茂ります。
ところが、真夏になると、とたんに元気がなくなって、あっという間に葉という葉が全部枯れ落ちてしまい、骸骨のような姿になるんです。
この状態で秋に突入し、それは侘しいベランダの風景となってしまうため、6月のあの姿は夢だったのかー、と思いながら、株を抜いていました。
ですが2年前、育て方さえわかれば、ほんとうにたくさんの実がなるのだと知りました。それで去年も、今年も、順調にたくさん収穫できるようになりました。
野菜はやみくもに水をあげても、思ったように育ってくれないんですね。
でも、少しのコツを知っておけば、かなりの確率で応えてくれるんです。
今回はミニトマトの栽培のコツをご紹介します。
トマトと違って、ミニトマトはベランダ菜園に向いています。
スーパーで買うと高い、甘いミニトマトを、ぜひベランダで育ててみてください。
基本データ
花言葉「感謝」
原産地はアンデス高原。つまり、高原の環境特性を好みます。夏野菜と思ってたら間違いです。紫外線は好きですが、暑さは苦手。真夏に高原環境に近づけて乗り切るかに注意すれば、12月まで収穫できます。
栽培ポイント① 紫外線が好き
理想的な日照時間は8時間、ずっとお日様にあたってたい野菜です。
プランターであれば、その日の時間帯によって、一番日の当たる場所に動かしてやるのが理想です。私は今年、大プランターに入れてしまったので、来年は持ち運びできる単体鉢にしようと思います。
紫外線が足りてるかのチェック方法
・葉が落ちる・・・日が不足
・葉と葉の間隔(節の間隔)が大きい・・・日が不足。節間隔が短いほどよい
・葉が大きい・・・実はこれ、日光がが不足しているんです。不足するから葉を広げるんです。なので、葉は小さいほど日光が足りていると判断します。
栽培ポイント② 真夏は休ませる時期
トマトは高原野菜なので、
基本、暑さに弱いです(適温:20~25℃)。
同様に、夜温が低いのを好みます(適温:8~13℃)。
■春~初夏・・・屋外の日がよく当たる場所に置きます。
■真夏・・・休ませる期間です。
花がつかないとか花が落ちたら暑すぎる時期になったというサインです。
花粉は30℃以下で生存するため、超えると受粉しても実がなりません。
できるだけ日陰で風の当たる場所を作ってやり、放っておいてあげてください。
また、肥料は絶対にあげてはいけません。真夏は根も暑さで弱るので、肥料は株にとて負担になるからです。
■ 真夏を過ぎたら・・・やっと再始動です。
花がどんどん付き始めたら、真夏を過ぎたというサインです。
そうしたら、屋外の日がよく当たる場所に置き、肥料をたっぷり与えましょう。
■寒くなったら・・・室内の日当たりのよい場所に置きましょう。
室内であれば、肥料を与え続けて、うまくいけば12月まで収穫できます。
栽培ポイント③ 水の量は実の味や食感に影響する
トマトは全身で水を吸収、実からも吸収します。
雨が実に当たると水を吸収して膨張し、皮が破裂してしまいます。梅雨の時期になる実は、よく皮が破裂します。それが嫌なら梅雨の時期は雨よけしてあげるといいです。
我が家は特に気にせずあまざらし、破裂したのを喜んで食べています。
あと、水が少ないと皮が固くなります。そのため水は必要です。水は、実の味や食感に関わっているんですね。
ただし、収穫は水やりの前にするとよいです。水やり後に収穫すると、水分が多くなり甘味がなくなってしまうからです。朝採りトマトが売られているのは、そのためなんですね。
栽培ポイント④ 肥料を与えすぎない
肥料は必要最低限がいいです。高原は痩せた土壌が多く、トマトはそんな土で育つ植物なので、それが理想なんです。
かつて私が失敗したのがまさにこれでした。
たくさん実がなるようにと、緩効性肥料をたっぷり与えたので、葉茎が大きく太く、よく茂って喜んでいたのですが、これが間違いでした。
一見良さそうですが、実は、丈夫な茎葉に養分が取られて花実がつかなくなってしまいます。肥料は必要な時に、即効性のものを与える方がいいんです。その方が、トマトが必要な時に、効率的に養分をあげられて、トマトにも負担になりません。
追肥のタイミング
Hortiさんの動画でメモしたタイミングを書いておきます。
・1番目の花房が実になったタイミングであげる
・3番果、5番果…と、奇数房のタイミングであげる 夏までに5番果までいければGood!
栽培ポイント⑤ 茎をまっすぐ伸ばさない
園芸ショップでトマトの苗売り場に行くと、大きなトマトの苗が、たわわに実をつけている鉢が、毎年のようにディスプレイされています。
(これを見て、苗を衝動買いしていたのですが)
この鉢、いつも、ツルをぐるぐる巻きにして、しつらえているんですよね。
こんな感じです。これには理由があったんですね。
まっすぐ伸ばさない理由(円形支柱で茎をくるくると這わせる理由)
面白い習性ですが、トマトは90度間隔で花や葉がついていきます。
まっすぐ上に伸びると、2周目の花や葉は、1周目の花葉の日陰を作ってしまいます。なので、上から日がさす環境ではぐるぐるとずらすように誘引して、全ての葉と実に日光が当たるようにします。
もちろん、ぐるぐる巻きの方法以外にも、斜めに誘引したり、いろんな方法がありますが、これらの目的は全て、日光をまんべんなく与えるためです。
※花房の間に葉が4枚や5枚ある場合は、光や肥料が足りてないので、肥料や光を増やしてください。
栽培ポイント⑥ 実を収穫したら、その下の葉を取り去る
花実に養分を送るのは、周辺の葉だけだそうです。
なので、花房を収穫したら、それより下の葉は他の花実には不要なので、他の実に養分を送るために取り除きます。そうすると下の方はハゲ茎になっていくので、ぐるぐるを下におろしてやる、というサイクルを繰り返すとよいそうです。
実際、これをしたことで、株の下の方の風通しがとても良くなりました。
栽培ポイント⑦ 芽欠きをする
一つ目の花房がついた軸が主茎と言われます。
そして、この花房の1つ下の脇芽は、丈夫なものが出てくるので、2つ目の茎として、この2茎立てで育てると、効率よく実をたくさんつけることができます。
脇芽を放置すると、脇芽の成長に栄養をとられてしまい、花実がなかなかつきません。
なので、その下の脇芽を全て取り除きます。(葉はまだ取ってはいけません)
その後も、茎が伸びるにつれて、脇芽が出てきますので、それもなるべく幼い内に取ってしまいます。
栽培ポイント⑧ 誘引は株に水分が少ないときに、こまめに行う
栽培ポイント⑤の誘引ですが、水やりの後だと茎が水分を多く含むため、ぽきっと折れる可能性が高くなります。ですので、葉が萎れかけの時、例えば夕方に誘引を行うとよいです。
あと、茎が太くなってからだと、これも折れる可能性が高くなるので、細い内から少しずつ誘引するようにしましょう。
わたしも何度か折って、わちゃーっとなってます。
ですが、もし折れてもセロハンテープで巻いておけば、結構持ち直しますので大丈夫です。
いかがでしたか?
以上が、ミニトマト栽培のポイントです。
ポイントがたくさんあって、大変と思うかもしれませんが、要は、トマトの習性を知っておけば、忘れることなく対処できます。
今年こそ、たくさん収穫してくださいね!